健康診断で中性脂肪・LDLコレステロール・HDLコレステロールが基準値から外れていた方へ 結果の見方と対処法をわかりやすく説明

健康診査

「健診でコレステロールが高いって言われたけど、いまいちよくわからない。結果の見方を知りたい」

健診の脂質検査で異常の判定が出たんだけど、どうやって見たらいいか知りたいという方に、わかりやすくお伝えします。

今回からは、専門用語が多くてわかりにくい健康診断検査の中の、コレステロール・中性脂肪の項目について、どのようにみたらいいかがわかります。

最初に結論です。

  • 中性脂肪・コレステロールは、体にとって必要なものだが、使われず余ってしまうと様々な不都合が出てくる
  • 中性脂肪は、エネルギー源だが、余ると脂肪が増えてしまう
  • コレステロールは、体中の細胞の膜やホルモンの材料なので、大変重要
  • 余ったコレステロールのうち、LDLコレステロールは、血管の中に入り込んで血管の老化を加速させる
  • HDLコレステロールは、余ったコレステロールを肝臓に戻している
  • 結果表は、総合的に判断しましょう

できるだけ専門用語を使わずに、わかりやすくお伝えするので、一緒に学んでいきましょう。

中性脂肪・コレステロールは悪者?

中性脂肪やコレステロールと聞くと、あまりいいイメージがないのではないでしょうか。

健診結果でも、基準値より値が高くて、『あ~血液がドロドロ状態』と、ショックを受ける事が多いと思います。

しかし、そもそも中性脂肪・コレステロールは体に必要なものです。

それぞれ、詳しくみていきましょう。

中性脂肪はエネルギー源

中性脂肪は、ブドウ糖と共に、体を動かすエネルギー源です。

糖質を多く含んだ物を食べると、消化吸収した結果、ブドウ糖として血液にのって全身に送られます。

しかし、それが使われず、余ってしまった場合、中性脂肪に変えられて、エネルギーがたくさん必要になった時に使えるように、蓄えられます

どこに蓄えられるかというと、内臓のまわり、肝臓内、皮膚の下です。

それでも貯蔵しきれなかった分は、血液の中を中性脂肪としてさまよいます。

つまり、あまり動かない人が、必要以上にご飯、麺類、パン、ジュース、お菓子、ビールなどの、糖質を口にしすぎると、内臓脂肪が増えてお腹ポッコリになったり、肝臓内の脂肪が増えて脂肪肝になったり、体重増加になったり、血液ドロドロになったりするという事です。

中性脂肪の基準値

異常認めず 30~149

要指導 150~299

要精査 300以上

コレステロールは体をつくる材料として全身に届けられる

コレステロールは、体中の細胞の膜や、ホルモンを作る材料として、大変重要な物です。

コレステロールは、三大栄養素のブドウ糖、脂肪、タンパク質から主に肝臓で作られます。

コレステロールは脂なので、血液に溶ける事ができません。

そのため、タンパク質と合わさって、リポタンパク質として体の隅々まで送られていき、活用されます。

このリポタンパク質のうち、LDLコレステロール(低比重リポタンパク質)は脂肪の割合が多く、血管の中に入っていく性質があります。

つまり、多すぎて余ると、LDLコレステロールは血管を狭くして、破けやすくしてしまうのです。

そのため、悪玉コレステロールとも呼ばれています。

LDLコレステロールの基準値

異常なし 119以下

要指導 120~139

要精査 140以上

コレステロールは合成が大変なので、たくさんの材料が体内に入ってきて、体を動かしていない時間に作られます。

そのため、運動が嫌いで、たくさん食べた後に、ゴロンゴロンとしている時間が多い方は、コレステロールがたくさん作られていきます

対して、タンパク質の割合が多いのは、HDLコレステロール(高比重リポタンパク質)といい、各臓器や、血管の中で余ったコレステロールを肝臓に戻す役割を担っています。

そのため、善玉コレステロールと呼ばれたりします。

HDLコレステロールの基準値

異常なし 40以上

要指導 35~39

要精査 34以下

HDLコレステロールだけ、少ない事が問題ですので、注意が必要です。

HDLコレステロールを少なくしてしまう要因としては、運動不足と喫煙が上げられます。

総合的に判断して対応しよう

『血液ドロドロ状態』として、最も困った状態は、中性脂肪・LDLコレステロールが高くて、HDLコレステロールが低い状態です。

エネルギーが余っていて、どんどん中性脂肪・LDLコレステロールが血液中に多くなり、HDLコレステロールが血管内のコレステロールを片付けられていないということです。

このような状態になる前に、早め早めに対応したほうが、血管が痛むのを予防しやすいです。

具体的には、

中性脂肪が高くなってきたら、糖分の多い物を食べ過ぎてはいないだろうか確認しましょう。

HDLコレステロールが低くなってきていたら、運動不足になっていないか、喫煙していないか、喫煙している人が近くにいないかを考えてみましょう。

LDLコレステロールが高くなってきたら、総合的に食べ過ぎいないか、体を動かさないでいる時間が多くないか、筋肉量が少なくなってきていないかと確認してみましょう。

女性の方で、LDLコレステロールが急に高くなることがあります。

閉経により、女性ホルモンの量が少なくなると、それまで原材料として使われていたコレステロールが使われなくなり、余ってしまうためです。

ですので、更年期近くの女性は特に、LDLコレステロールが高くなっていないか、健診で確認していく事をおすすめします

「中性脂肪・コレステロールが高くなったら、受診して薬をもらえばいいや」ではなく、普段の生活習慣でもどうすれば改善できるかを、考えてみるといいです。

まとめ

最後に今回のまとめです。

『中性脂肪・コレステロールの検査について知って、体づくり活かそう』

  • 中性脂肪・コレステロールは、体にとって必要なものだが、使われず余ってしまうと、様々な困ったことが起きてくる
  • 中性脂肪は、エネルギー源だが、余ると内臓のまわり、全身の皮膚の下、肝臓の中、血液中に蓄えられる。
  • コレステロールは、体中の細胞の膜やホルモンの材料として重要だが、LDLコレステロールが高くなると、血管の中に入り込んで血管の老化を加速させてしまうので、適正量になっているように、運動量に合った食事量にして、よく動くように対処が望ましい
  • HDLコレステロールは、余ったコレステロールを肝臓に戻しているので、喫煙や運動不足で少なくなっていないか、確認する
  • 結果表は、総合的にみて、自分で改善できる対応を行おう

今回は特に人間ドックでも扱われやすい検査についてお伝えしました。

もう少し具体的に「じゃあLDLコレステロールを下げるために食べ物はどうしたらいいんだろう?」という方は、【健診でコレステロールが高いと言われて、下げたい方へ 『血管をよみがえらせる食事』より】も参考にしてください。

ここまで極端にしなくてもとは思いますが、食事療法の参考になると思います。

また、今回は血液ドロドロになっていないか確認しようという事でお伝えしましたが、極端にエネルギーを減らし過ぎると、これもまた危険で、体調不良の原因になります。

無理なダイエットはしないで、徐々に体を作っていきましょう。

適正な食事量と、適度な運動がポイントだと思います。

以上、皆さんの理想の体づくりの参考になれば幸いです。

またよろしくお願いします。

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