お酒を飲まなくても痩せていても要注意 脂肪肝の見極め方 ALT・AST・γ-GTP

ダイエット

「健康診断でALTが高かった。どういう事だろう?ALTって肝臓の検査だよね?」

お酒も飲んでいないのに、肝機能が悪いという方がまず疑うべきは脂肪肝です。

脂肪肝から、肝硬変・肝がんへと移行していく人が増えていると、栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原毅医師は教えてくれます。

そこで、健康診断結果からわかる脂肪肝についてお伝えします。

今回参考にする本は、『図解だからわかる 食べて飲んで中性脂肪とコレステロールを減らす本』です。

最初に結論です。

  • 脂肪肝とは使われないエネルギーである中性脂肪を肝臓にたくさん貯蔵している状態
  • 脂肪肝が進行すると脂質異常症などを起こし、心筋梗塞や脳梗塞、そして肝臓がんといった病気につながっていく
  • 脂肪肝になっているかは、ALT・AST・γ-GTP・中性脂肪の検査項目で判断しよう
  • 日常生活では糖質のとりすぎを改善して肝機能を良くしよう

コロナの影響で脂肪肝にもなりやすい状態となっています。

今回の内容から、脂肪肝と、健康診断の結果から自分の体がどうなっているか判断できるようになりましょう。

肝臓の働きと脂肪肝

肝臓は毒を分解する、消化を助ける胆汁を作る、消化した食べ物を体が吸収できる栄養素に作り変えるといった、大切な働きをしています。

この肝臓が、肝炎・肝硬変と状態が悪化すると、その働きも下がって、ある時に悲鳴を上げます。

肝臓の働きを下げてしまう原因の一つが糖です。

糖は、筋肉が大きな力を出す時に必要になったり、脳のエネルギーとなったりと大切な栄養ですが、使われないで過剰に余ると、中性脂肪に変えられます。

中性脂肪が余って増えてしまうと、
皮下脂肪として肥満の原因になったり、
内臓脂肪としてお腹ポッコリや、血液の通りを悪くして動脈硬化を進めたり、肝臓に貯まって炎症を起こしたり、
大変困った状態になります。

本来貯まってほしくない肝臓に、脂肪が10%以上溜まっていると脂肪肝と診断されます。

脂肪肝は危険

「全ての生活習慣病の始まりは脂肪肝」とまで栗原医師は言っています。

内臓脂肪が蓄積することによって、血圧・血中脂質・血糖を悪化するホルモンが出て、動脈硬化を進めてしまいます。

肥満・高血圧・脂質異常・高血糖が3つ以上重なると、脳梗塞を36.8倍起こしやすくなると厚生労働省も警告しています。

当然脳梗塞だけでなく、心臓の冠動脈が詰まれば心筋梗塞になりますし、それだけでなく、肝臓がんも起きやすくなるというのです。

非アルコール性脂肪肝炎、NASH(ナッシュ)が最近注目されています。

特にお酒の飲み過ぎによって肝臓がんになるわけでなく、糖質のとりすぎから、脂肪肝→肝硬変→肝臓がんに進行していくことがある病気です。

そのため、お酒をたくさん飲む方よりも、フルーツやスイーツ、パスタやパンなどが好きな50歳上の女性に多いです。

NASHに注意が必要な人
  • 50歳以上の女性
  • お酒をあまり飲まない
  • フルーツやスイーツ、お菓子が好き
  • ご飯やパン、パスタやラーメンなどの麺類を良く食べる
  • 運動不足

女性が入っているのは、別腹で甘い物をよく食べるからではなく、若い時は女性ホルモンに守られている女性が、閉経後に脂質異常症が顕著になってしまうからです。

脂肪肝になっていないかのチェック法

糖質過剰・脂肪肝になっていないかを確認するのは、健診の血液検査から可能です。

検査項目としては、ALT・AST・γ-GTP・中性脂肪です。

ALTとASTは肝臓に多く含まれている酵素です。

以前はGOTとGPTといいました。

数値が高い場合は、炎症を起こして血液中に流れ出ているか、中性脂肪がたくさんついている可能性が高いです。

γ-GTPはたんぱく質を分解する酵素で、飲酒や胆道系疾患など、肝臓での負担が増加すると高値になります。

そして、中性脂肪が高いという事は、血液中に使われずに余っているという事を示しています。

検査項目の正常値と理想の値

ALT(GPT) 10~30U/L 《理想5~15U/L》

AST(GOT) 10~30U/L 《理想5~15U/L》

γ-GTP  男10~50U/L  女10~30U/L

中性脂肪 149以下

ALT・ASTが16以上ですでに脂肪肝になりかけていると、栗原医師は警告します。

これは割と厳しい値です。

定期的に運動しているなど、かなり気を付けている方でないと、かなりの方が脂肪肝になりかけていると考えた方がいいと感じました。

まとめ

『動脈硬化の根源、脂肪肝になっていないかチェックしよう』

最後に今回のまとめです。

  • 使われないエネルギーである中性脂肪が肝臓にたくさん貯まっている状態が脂肪肝で、心筋梗塞や脳梗塞、そして肝臓がんといった病気につながっていく
  • 特にアルコールの飲みすぎによる脂肪肝ではなく、糖質の過剰摂取による非アルコール性脂肪肝炎、NASH(ナッシュ)が更年期以降の女性に増加している
  • 脂肪肝になっているかは、ALT・AST・γ-GTP・中性脂肪の検査項目で判断しよう

肝臓は沈黙の臓器と言われるように、黙々と働いてくれて痛いなどの症状を出してくれません。

ということは、症状が出た時にはかなり進行して、手遅れという可能性が高いということです。

NASHは女性に多いという事でしたが、忙しくて体や健康に気を配る余裕がなく、甘い物が好きな方はなりやすいです。

たとえお酒を飲んでいなくても、痩せていても。

年に一回は健康診断で、検査項目をチェックする、経年でどのように変化してきたかを確認する、悪化の傾向が見られたら、脳梗塞や肝臓がんになる前に食事と運動で改善する、といったことが重要です。

以上、皆さんの理想の体づくりの参考になれば嬉しいです。

内容がいいと感じてもらったら、皆さんの大切な方にも紹介してもらえると有難いです。

またよろしくお願いします。

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