健診でコレステロールが高いと言われて、下げたい方へ 『血管をよみがえらせる食事』より

食事

「健康診断でコレステロールが高いが高いって言われちゃった。血液ドロドロなんでしょ。いやだな~。怖いな~。でも、どうすればいいんだろう」

このような方へ、医師のコールドウェル・B・エセルスティン・Jr氏の書籍『血管をよみがえらせる食事 最新医学が証明した心臓病・脳疾患の予防と回復』から、毎日の食生活を変える事で、コレステロールを下げることが重要という事が書かれていましたので、紹介したいと思います。

今回の記事からは、食事のみでコレステロールを下げ、90%塞がっていた動脈を再生させた、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞にならない体づくりの方法がわかります。

また、その食事法を実践すると、自然にスリムで病気をしない体になっていきます。

今回の結論です。

  • エルスティン博士が推奨する「プラントベースの食事」では、血管疾患を引き起こす食べ物は一切食べない事により、コレステロールを下げ、血管を正常な状態に戻している
  • 食事によりコレステロールを150 mg/㎗以下に下げることにより、一切心筋梗塞や狭心症が起きるリスクのある状態から脱却できる
  • ご自身の健康診断結果を確認していただき、必要時・必要な事を皆さんの食生活に取り入れてほしい

著者であるエセルスティン氏の紹介

初めにこの本の著者であるコールドウェル・B・エセルスティン・Jr氏をお伝えします。

エセルスティン氏は、アメリカの心臓病治療センターとして有名なクリーブランド・クリニックの医師で、ご自身の提唱する食事法を20年継続している方です。

20年前というと、まだ心臓病と食習慣の関係性がわかっていない時代であり、手術では治る見込みがなく、すっかり絶望した23人の男性と、1人の女性に、試験的に「低脂肪でプラントベースの食事療法」を始め、患者さんを救ってきました。

この食事療法を実践することにより、クリントン元大統領をはじめ、世界中のVIPの方々が血管をよみがえらせています。

食事療法が望ましい人

欧米式の食事をしていることにより、総コレステロール300mg/㎗以上の方が、アメリカにはたくさんいらっしゃり、動脈の老化を進行させ、次々と心臓病を発症させてきました。

エセルスティン氏は、総コレステロール値が150以上の方、または、LDLコレステロール値が80 mg/㎗ 以上の方は、食事療法を行ったほうがいいと言います。

それは、総コレステロールを150mg/㎗以下にしないと、血管の老化が進んでしまうからです。

しかし、日本人間ドック協会の基準は正常値140~199 mg/㎗ 。

心臓発作を起こしている人の四人に1人は、コレステロール値が180から210mg/㎗の間であることは、我々はずっと前からわかっていたし、フラミンガム心臓研究で心臓病の人の3分の1以上は、コレステロール値が150から200mg/㎗の間であったことも知っている。

(中略)

心臓病はすでに述べてきたように、血中コレステロール値が150mg/㎗以上ある時に発症する。その逆も真実だ。血中コレステロール値が生涯150mg/㎗以下に保っている人は、冠動脈疾患を起こさないだろう―たとえその人が喫煙者で、冠動脈疾患の家系で、高血圧症になっており、肥満であってもである!

コールドウェル・B・エセルスティン・Jr 『血管をよみがえらせる食事 最新医学が証明した心臓病・脳疾患の予防と回復』 (株式会社ユサブル2020

日本の人間ドックの基準では『正常』の判定となる方も、日々心臓病のリスクが積み重なってしまっているという事ですね。

コレステロールを下げるために避ける食品と食べる食品

どのような食事で、コレステロールを下げればいいのか。

エセルスティン氏は、避けるべき食品と、食べていい食品をしっかり分ける食事法を伝えてくれています。 

【避ける食品】
  • 顔と母親があるものすべて

   肉類(牛・豚・羊・鶏など)、魚、卵

  • 乳製品

   バター、チーズ、クリーム、アイスクリーム、ヨーグルト、牛乳など。

  • オイル(油)

   バージン・オリーブオイル、キャノーラオイル

  • 精製穀物

   白米・強化小麦粉製品や米粉製品(ビタミンなどを強化したもの)、パスタ、
   パン、ベーグル、ビスケット、クッキー、ケーキなど

  • ナッツ類

   心臓病の人は避けるべき。そうでない人は、クルミを適量

これらの物は、ほんの少量でも、コレステロールを増やしてしまうので、心臓の動脈を再生させる必要がある方は、全く食べるべきではないと言っています。

徹底的に動物性たんぱく質や脂肪分、油を取り除いています。

一方、以下の物は思う存分楽しんでも大丈夫な物です。

【推奨される食品】
  • 野菜

   心臓病の人はアボガドはだめ。

  • 豆類
  • 全穀類

   玄米、全粒小麦、そば粉、コーン、アワ、砂糖・油が入っていないシリアル、
   インスタントでないオートミール、全粒粉のパスタ

  • 果物

   一日3個まで。果物100%ジュースは避ける。
   フルーツジュースには糖が多い。

  • 飲み物

   水・成分無調整豆乳、珈琲、お茶

玄米や全粒小麦のなどの、精製されていない穀物は、積極的に採ったほうがいい食材に入っています。

また、エセルスティン氏は、様々な方法で積極的に豆を食べることを勧めています。

このような食事に、心臓病の治療として行う人には、ビタミン剤などをプラスするそうです。

  • 複合ビタミン剤
  • カルシウム
  • ビタミンD
  • オメガ3脂肪酸
  • コレステロール低下薬

コレステロールを下げる薬も使用する理由としては、すでに心臓病を発症している方は、一刻も早くコレステロールを下げる必要があるからです。

薬と、「栄養摂取プログラム」を併用すると、総コレステロール値はわずか、14日間で150mg/㎗以下に下がる。

(中略)

「何か月か食事療法をして、それでもコレステロール値が150㎎/㎗以下に下がらない場合に限って、コレステロール低下薬を使用する」という方法を採らない理由は、重い冠動脈疾患の場合、時間の余裕がないからだ。

コールドウェル・B・エセルスティン・Jr 『血管をよみがえらせる食事 最新医学が証明した心臓病・脳疾患の予防と回復』 (株式会社ユサブル2020

本を読んで感じた事

今回の食事療法でも、精製された白米や小麦は勧めていません。

これは、GI値が高い食材を避けて、糖尿病を予防するという事にも繋がっています。

また、骨や筋肉が痩せてしまうのではないか?と感じましたが、ベジタリアンの方がガリガリとは限らないのと同様、豆や野菜などから、カルシウムやたんぱく質、ビタミンも補給できるため、エセルスティン氏は問題ない、80歳を過ぎても活動的な実践者がたくさんいると紹介しています。

エセルスティン氏は、肉や魚は全く食べないで、脂を美味しいと感じる味覚を変える事が重要だと伝えています。

味覚を変えることは、私達日本人が大好きな塩味も同様とのことです。

塩は一日1gもあれば十分で、自然に摂取できるのだから、料理で使う塩分は極力減らした方が、血管への負担を減らす事ができるとのこと。

それは大変だと感じましたが、エセルスティン氏は、12週間口にしなければ、味覚は変わり、脂や塩分を欲しいとは思わなくなるとのことです。

このあたりは、自分がどれくらいコレステロールを下げる必要があるのかで、全く食べないか、今の量を半分にするかなど、決めればいいと思います。

ただ、定期的な健康診断でコレステロールを測定し、自分の取り組みと、体の状態を確認していく事が重要なことです。

幸い、コレステロールは体内で作られますし、下がっても血管が弱くなってしまう事はないそうです。

コレステロールを自分の食事で下げることは可能なのだと、この本で学ぶことができたことは、大変有意義な事だと考えます。

まとめ

今回のまとめです。

  • 欧米式の食事をしていて、コレステロールが高かった方が、食生活を変えることでコレステロールを150mg/㎗以下に下げ、冠動脈疾患のリスクを無くして長生きしている
  • 血管疾患を引き起こす、肉・魚・卵、乳製品、油、白米などの精製穀物、ナッツ類は一切食べないとコレステロールを下げる事ができる
  • 食べていいのは、アボガド以外の野菜、豆類、玄米やそばなどの全穀類、果物、水などの飲み物
  • 健康診断のコレステロール値を確認しながら、食生活を調整しよう

筋肉を弱らせないように、肉などのたんぱく質をしっかりととっている方がたくさんいらっしゃると思います。

今回の本を読んで、豆腐などの豆類などからも植物性たんぱく質を意識して食べていく事が望ましいと改めて感じました。

なかなか日本食に慣れてる私たちには難しいと感じる事も含まれていましたが、勉強になる事がたくさんありました。

エセルスティン氏は言っています。

「ほんの少しだけの禁断の食べ物―脂肪、乳製品、油、動物性たんぱく質など―」は、あなたを傷つける可能性があり、また、傷つけることがよくある」”

コールドウェル・B・エセルスティン・Jr 『血管をよみがえらせる食事 最新医学が証明した心臓病・脳疾患の予防と回復』 (株式会社ユサブル2020

もし、皆さんの中で、冠動脈のバイパス手術が必要になった場合は、ぜひこの本を読んでみてください。


より詳しく、エルスティン氏の指導の内容がわかると思います。

以上、皆さんの体づくりの参考になれば嬉しいです。

今後もどうぞ、よろしくお願いします。

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