「健診結果で、血糖値とか高かったし、やせたいと思うけど、いくら歩いてもやせない。むしろ太っていく。食事だってそんなに食べすぎていないのに。忙しくてそんなに時間がないから、これ以上たくさん歩くのも大変だし。やっぱり筋トレしないといけないかな」
このような、歩いてやせたり、健診結果を良くしようと思っても、なかなか良くならずに悩んでいる方には、筋トレがおすすめです。
「筋トレは若い人がやるべき事で、年を重ねたら無理をしないで、散歩くらいにしておいたほうがいい」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、年を重ねるほど、筋トレをしたほうがいい理由をお伝えします。
最初に結論です。
- 理由① 血糖値を下げる事ができるから
- 理由② スポーツの代わりに速筋を鍛える事ができるから
- 理由③ 中年太りを解消できるから
- 理由④ 死亡率を下げる事ができるから
今回は宇佐見啓治医師が書いてくれた『血糖値がみるみる下がる!7秒スクワット』の内容も参考に、わかりやすくお伝えしたいと思います。
筋トレで得られる効果
まず、筋トレについてのポイントを、おさらいします。
筋トレは、スクワットや腕立て伏せなど、たくさんの回数を一気に行う事ができない運動です。
筋トレを行うことによって、筋肉量を増やすことができます。
そのため、ちょうどいい強さで筋トレを行っていくと、筋肉が発達してきて、ボディービルダーのような体に近づくことも可能です。
特に増えるのは速筋と言われる、強い力を出すことができる筋肉です。
そのため、重い物を持ったり、素早く動いたりできるようになります。
筋トレで使われるエネルギーは、脂質よりもブドウ糖が多く使われます。
そのため、宇佐見医師は、7秒スクワットを継続すると血糖値を下げる事ができると教えてくれています。
7秒スクワットのやり方詳しく知りたい場合は、【血糖値が高い人必見 下げるには筋トレ必須! 宇佐見医師著『血糖値がみるみる下がる!7秒スクワット』①】も参考にしてくださいね。
年を重ねるほど筋トレをしたほうがいい理由① 血糖値を下げることができるから
血糖値が高い人は糖尿病と診断されます。
なぜ、糖尿病の患者さんは高齢者に多いのでしょう。
60歳以上で糖尿病が増加する理由のひとつは、筋肉量の低下です。というのは、筋肉は加齢ととともに減少するからです。筋肉量のピークは20~30代。減少スピードは40歳半ばから一気に加速し、大きな筋肉である太ももは、30~70歳までの40年間で、前側が約半分、後側が3分の2まで落ちるといわれています。後ろ側の衰えがゆるやかなのは、歩く時に前側より刺激されるからです。平坦な道を、毎回足を大きく上げながら歩く人はいませんからね。
宇佐見啓治 血糖値がみるみる下がる!7秒スクワット 文響社2020年4月21日
なるほどです。
いくら頑張って歩いても、太ももの前側は使われないために、筋肉が減ってしまう。
体の中でも大きな筋肉である、太ももの筋肉量が減るために、血糖を使う事ができなくて糖尿病になってしまうということですね。
また、膝を守る筋肉が不足して膝の痛みがあるという方も、膝が痛くない方法で筋トレを行うこともできます。
筋肉が減ってしまわないように、特に太もも前側の筋トレを中心に、行ったほうがいいです。
年を重ねるほど筋トレをしたほうがいい理由② スポーツの代わりに速筋を鍛える事ができるから
特に、スポーツに真剣に取り組んでいる方ほど注意が必要と伝えたいです。
生涯現役のスポーツ選手はまれです。
多くの方は、青年期に行っていたスポーツを引退してしまいます。
スポーツは多くの場合、素早い動きや、強い瞬発力が要求されます。
その時に使われるエネルギーは、ブドウ糖をたくさん使う速筋ですが、スポーツを引退することにより、速筋が働く機会が少なくなってしまいます。
一方、運動量は大きく減っても、食べる量をそれに合わせて減らすという事は、大変困難です。
体をつくるためにたくさん食べる習慣を変える事が難しいために、引退後に急激に太ってしまうという状態になりやすいです。
そこから膝の痛みも起きてきやすく、ますます動きにくくなるという悪循環に陥ります。
すると、血糖値が悪化したり、血圧が上昇したりというリスクが大きいという事です。
筋肉の衰えが血糖値に影響を与えるのは、加齢とともに衰えやすい大きな筋肉は速筋が多いからです。速筋は筋グリコーゲンを多く含み、大量のエネルギーを消費します。太ももの前側の大腿四頭筋は6割以上が速筋。それが半分になるのですから、糖質を消費する量も大幅に減少します。
宇佐見啓治 血糖値がみるみる下がる!7秒スクワット 文響社2020年4月21日
スポーツを継続している人は速筋を維持しやすいですので、できるだけ継続して、もしやめてしまったとしたら、特に筋トレで速筋が消費する糖が減らないようにしたり、健診の血糖値や、体組成計の脂肪量をみながら、食べる量を調整が必須ということです。
年を重ねるほど筋トレをしたほうがいい理由③ 中年太りを解消できるから
『肥満は万病のもと』と言われるように、肥満になることによって様々な病気が起きてしまいます。
最近言われるのは、内臓脂肪の増加から、高血圧・糖尿病・脂質異常症が生じてくるという、メタボリックシンドローム、通称『メタボ』ですね。
宇佐見医師は、スクワットなどの筋トレをすることにより、血糖値を下げる事ができるだけでなく、肥満解消にもなると教えてくれます。
太るのは、摂ったエネルギーより、消費するエネルギ―が少ないからです。世の中にはいろいろなダイエット法がありますが、分類すると、摂るエネルギーを減らすか、消費するエネルギーを増やすか。前者の代表は糖質制限やカロリー制限、後者は有酸素運動でしょう。7秒スクワットは、後者・消費するエネルギーを増やす方法になります。ブドウ糖の取り込み量の所でのべたように、糖質を消費する最大の器官は筋肉です。加齢や運動不足などで筋肉が少なくなると、それだけ消費するエネルギーは少なくなります。食事量が変わらなければ、どんどん太るということです。筋肉量を維持できる7秒スクワットが習慣になれば、消費するエネルギーをキープできるため、少しだけ食事を減らせばやせる事になります。
宇佐見啓治 血糖値がみるみる下がる!7秒スクワット 文響社2020年4月21日
食べる量が増えていないのに、年々お腹が出てくるという方は、筋肉量が少なくなったり動かなくなったりして、消費するエネルギーが少なくなっているという事です。
その時に、食事量を減らすか、運動量を増やすかという選択肢がありますが、食事量を減らしてお腹をへこまそうとすると、筋肉量が減ってしまい、余計に太りやすくなってしまいます。
リバウンドは、このような経緯で起きてきます。
それを防ぐためにも、筋トレで、たくさんのエネルギーを消費してくれる筋肉を増やして、だまっていてもエネルギーを消費してくれる、やせやすい体に近づける方法がおすすめです。
ちなみに、『 血糖値がみるみる下がる!7 秒スクワット 』では、週2回の7秒スクワットで、LDLコレステロールも基準値に下がった女性のケースも紹介されていました。
年を重ねるほど筋トレをしたほうがいい理由④ 死亡率を下げる事ができるから
筋肉量は、死亡率にも影響します。
想像すると、筋肉量が少ない方より、多い方のほうが死亡率は低そうですよね。
その通りです。
宇佐見医師は、筋肉・脂肪の量と、死亡率について教えてくれています。
このような順位だそうです。
“医学雑誌『Lancet』の約400万人を対象とした大規模調査によると、過度の肥満は死亡率を171%増加すると報告されています。
宇佐見啓治 血糖値がみるみる下がる!7秒スクワット 文響社2020年4月21日
(中略)
イギリスで約40万人を対象とした調査によると、死亡率が低かったのは、筋肉量が多くて脂肪量も多いグループ。つまり、どちらかひとつを選ぶとしたら、ダイエットより筋トレ。
長生きしたかったら、脂肪を減らすことより、筋トレで筋肉量を増やしたほうがいいという事ですね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、年を重ねるほど筋トレをしたほういい、4つの理由についてお伝えしました。
- 理由① 血糖値を下げる事ができるから
- 理由② スポーツの代わりに速筋を鍛える事ができるから
- 理由③ 中年太りを解消できるから
- 理由④ 死亡率を下げる事ができるから
「じゃあ、運動すればいいんじゃない?ウォーキングでもしようかな」という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ウォーキングと筋トレは、全く違う運動です。
目的に合わせた運動を行う必要があります。
ウォーキングは、長く続けることができる体になる、有酸素運動です。
そして、有酸素運動で消費されるエネルギーの大半は脂肪で、血糖値が下がりにくいです。
また、有酸素運動で筋肉量を増やすというのは、大変困難です。
そして、長い時間ウォーキングを行うためにも、筋トレで体を鍛えないと、膝や腰が痛くなるという事が起きてしまいます。
もちろん、有酸素運動にもいい点がたくさんありますので、心肺機能を高めたり、持久力を高めたい時は、有酸素運動を取りいれましょう。
私は、有酸素運動も、筋トレも、ストレッチ運動も、全てバランスよくやったほうがいいと考えています。
少しずつでも。
しかし、特に歳を重ねた方ほど、筋トレに苦手意識を持つのではなく、ぜひ毎日の生活に取り入れていただきたいです。
筋トレの基本的なやり方は、【筋トレ初心者のためのダイエットに有効な筋トレ法】を参考にしてもらえるといいと思います。
また、今回参考にさせてもらった、宇佐見医師の本は、大変勉強になりましたので、40歳以上の方は、一度読んでおいて損はないと思いますので、もしよかったら一緒に勉強しましょう。
今回の内容が、これからの皆さんの健康づくり・理想の体づくりの参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今後もよろしくお願いします
よい
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