「なかなか運動が続かない。運動が大事なのはわかっている。でも、なかなか継続ができない。どうして他の人は続けられるんだろう。」
このような悩みを抱えている方へ、運動継続のヒントになればと思って記事を書きます。
今回は、私が大変ためになった本、『スタンフォード式人生を変える運動の科学』から、ダイエットに生かせそうという部分について、お伝えします。
著者はスタンフォード大学の心理学者、ケリー・マクゴニガル氏で、訳者は神崎朗子氏です。
この本には、人生を変える運動について、研究からわかった様々な事例が紹介されていましたが、今回は、特に「持久力が高揚感をもたらす」の章から、有酸素運動をどの程度行ったら継続できるのかについて、お伝えしたいと思います。
この記事の結論です。
- 運動を行うことによって、苦痛を緩和し、気分を向上させる作用のある物質、内因性カンナビノイドが分泌されている
- この内因性カンナビノイドは、『ややきつい』程度の運動を『20分間』行うことによって分泌される
最近、なんだか気分が晴れないな~という方は、運動不足が原因かも
今回の運動継続に大きく影響するのですが、このような気分はありますか?
「なんだか疲れが取れないな~」
「最近元気がでてこない」
「ちょっとしたことでイライラしちゃう」
このような事が当てはまる方は、日常生活の活動量が低い事が影響しているのかもしれません。
ケリー氏は本書の中で、このようにおっしゃっています。
アメリカととイギリスの研究では、中強度の運動をしている成人たちに、一定の期間、座っている時間の多い生活をしてもらい、健康状態が悪化するかどうかを観察した。ふだん運動をしている人たちが、2週間ほとんど座りっぱなしの生活をしたところ、不安や疲労感や敵愾心が強まったことがわかった。
ケリー・マクゴニガル著 スタンフォード式人生を変える運動の科学
また、無作為に選んだ成人を対象に、一日の歩数を減らしたところ、88パーセントの人たちに気分の落ち込みが見られた。座りっぱなしの生活では、1週間もしないうちに、人生の満足度は31パーセントも低下した。毎日の平均歩数が5649歩を切ると、不安や気分の落ち込みなどの症状が現れ、人生の満足度が低下してしまう。いっぽう、典型的なアメリカ人の一日の歩数は、4774歩、世界の平均は4961歩という状況だ。
皆さんは一日何歩歩いていますか?
最近は携帯のアプリでも簡単に一日の歩数を調べる事ができます。
私たちの生活は大変便利になってしまいました。
デスクワークが多い日などは、一日2000歩という日もあって驚きましたが、皆さんはいかがですか?
コロナの自粛が続き、仕事もリモートが多くなったことで、活動量の低下に拍車がかかっています。
全く動かなくても、一日を過ごす事ができてしまっています。
そして考えてみると、仕事などで忙しいくて運動する時間がない時ほど、仕事や人間関係の不安が頭から離れなかったり、なんだかそわそわして落ち着かないという事が多いように思います。
気持ちが晴れないのは「仕事で疲れているからかな~」と思っていたのは、仕事のせいだけではなく、運動不足のせいだったという事もおおいにあり得ると感じました。
ややきつい運動を20分行うことによって、脳の報酬系が働く
日常生活の活動量が少ないと、不安や疲労感、敵愾心が強まるという事を知りましたが、普段の仕事を急に動き回る仕事に変える事は難しいです。
そこで、運動する時間を取り入れて、日常生活を活動的にするといいわけです。
しかし、そこで大きな問題が生じます。
「運動が続かないんだよ~」
「仕事が忙しくて、疲れているから、また運動に行くという気持ちがわかない」
という声が聞こえてきそうです。
運動を続ける事がとっても大変。
しかし、どんなに寒くても、雨が降っていても、雪の中でもランニングやウォーキングを楽しんで行っている方もいらっしゃいます。
はて、運動を続けるのに苦労している私達と、積極的に行えている方々は何が違うのでしょう?
それは、運動強度と、時間だとケリー氏は教えてくれています。
みなさんどのような有酸素運動をしていますか?
犬と散歩?
近所をぐるっと歩く?
ジムでぎりぎりまで追い込む?
ケリー氏が勧めているのは、『ややきつい』運動を『20分』です。
「健康づくりのためには、無理な運動は必要ない」と聞いたりします。
しかし、ややきつい運動が望ましいのです。
厚生労働省は、一日プラス10分多く運動しようと推奨しています。
10分間では足りないようです。
ケリー氏は、書の中で、アリゾナ大学の人類学者、デイビッド・ライクレン氏の研究を紹介しています。
トレーニングの前後には参加者たちの採血をおこない、内因性カンナビノイドの血中濃度を調べた。30分間のウォーキングをした場合、効果は表れなかった。全速力で走った場合も、効果はなかった。ところがジョギングの場合、参加者の内因性カンナビノイドの血中濃度は3倍も上昇した。それだけでなく、参加者たちはハイな気分になったと報告した。
ケリー・マクゴニガル著 スタンフォード式人生を変える運動の科学
内因性カンナビノイドには苦痛を緩和し、気分を向上させる作用があるのだそうです。
つまり、楽な運動でも、きつすぎる運動でも、苦痛を緩和したり、気分を向上させる作用のある、内因性カンナビノイドは出ないが、その中間の、ややきつい運動を30分間行うことで、3倍の内因性カンナビノイドが出ていたという事です。
ケリー氏は、30分までいかなくても、20分有酸素運動を行えばいいと勧めています。
気分を向上させてくれる内因性カンナビノイドがでていない運動では、運動をした充実感や、また運動しようという気持ちがわかなくて、継続が難しいという事ですね。
逆に、悪天候でもランニングなどを継続できている方は、内因性カンナビノイドを有効に活用できているということだと思います。
ややきつい運動を20分行ってみた
そこで、20分の運動をどのように感じるか、試してみました。
夏の暑い日に、上り坂も含めたコースを自転車で走ってみて、20分後にどう感じるかを試してみました。
結果、汗をかいて、足の疲労感もありましたが、もう嫌だ、やりたくないという気持ちにはなりませんでした。
またやってもいいなという気分でした。
また、気温が35度の危険な時間にも、ウォーキングを30分試してみました。
案の定、大汗をかいて、周囲の人からは「顔が焦げているよ」と心配されたくらいでしたが、気持ちは晴れやかで、また焦げに行ってもいいなという考えさえ浮かんできました。
なるほど~
みなさんも、あえてややきつい運動に強度を合わせて、時間も20分~30分、有酸素運動を行うことによって、内因性カンナビノイドが分泌され、運動後の爽快感や充実感が増えて、またやりたいという気持ちが膨らむので試してください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は「また運動しよう」という気持ちがわくためのヒントをお伝えしました。
- コロナの影響もあって、私たちの生活はどんどん動かない生活になっていて、結果、心理的にも悪影響が出ている
- 運動を継続できている人は、内因性カンナビノイドを上手に活用して、苦痛を緩和して、気分を向上させている
- 運動は、ややきついと感じる程度の運動を20分から30分行うように調整すると、内因性カンナビノイドがたくさん分泌される。
ダイエットも運動も、続けることで効果が表れて、積み重なっていきます。
【ダイエット成功に効果的な3つの運動】の記事でもお伝えしていますが、40歳以上の方のダイエットには、運動は必ず入れたほうがいいです。
また、皆さんのダイエットに生かせそうなこの本の内容を、記事で紹介していきたいと思います。
今回紹介した事をもっと詳しく知りたい方は、ケリー氏の本を読んでみてください。
様々な方の運動の紹介や、統計調査の結果からわかっている事が学べます。
今回書いたことが、皆さんの理想の体づくりの役に立てたら嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
またよろしくお願いします。
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