「肉には色々な種類があるけど、ダイエットのためにはどこを選べばいい?」
このような疑問を持っている方に向けて、お肉を選ぶ時にどこを選べばいいかをお伝えします。
今回の内容からは、日本食品標準成分表2020年版(八訂)より鶏・豚・牛の、気になるカロリーとたんぱく質の量、その他の特徴から、何を選んで買えばいいか、食べればいいかがわかります。
最初に結論です。
- 全体的に鶏肉・豚肉・牛肉の順で、カロリー量が増加する
- カロリー量が低いほど、タンパク質の割合が高い
- 鶏肉はヘルシーと思われがちだが、皮を取り除かないとダイエット効果は低い
- 女性には、牛肉もおすすめ
このようになります。
肉を買ったり調理する方はもちろんですが、自分の食べる物がどうなのかを知る事は、体づくりに役立つ知識ですので、ぜひ一緒に学んでいきましょう。
カロリーって?
カロリーはエネルギーの事です。
1ℓの水を1℃上げるために必要なエネルギー量を1㎉といいます。
1gあたり、糖質は4㎉ たんぱく質は4㎉ 脂質は9㎉のエネルギーがあります。
つまり、糖質とたんぱく質は1gあれば、1ℓの水を4℃上げる事ができますし、
脂質は9℃上げる事ができるという事です。
部位別カロリー量の違い
それぞれの肉のカロリー量を見てみましょう。
図:日本食品標準成分表2020年版(八訂)より
同じ分量でみると、全体的に 鶏 ⇒ 豚 ⇒ 牛 の順で、カロリー量が多い事がわかります。
ダイエットのために鶏肉を食べるようにしている方もいらっしゃると思いますが、やはりカロリー量の違いが見られます。
鶏肉でみると、 ささみ ⇒ 胸 ⇒ もも とカロリー量が高くなります。
それより低いのは砂肝です。
焼き鳥でもさっぱりして美味しいですが、やはりカロリー量が少ないということですね。
注目は鶏の皮です。
皮付きと皮なしでは大きく違っていますし、皮だけのカロリー量は、豚ばらより多いです。
豚でみると、 ひれ ⇒ もも ⇒ ロース ⇒ ばら の順でカロリー量が高くなります。
牛でみると、全体的に高カロリーではありますが、 もも ⇒ ロース ⇒ サーロイン ⇒ばら と高いです。
部位別のたんぱく質量の違い
たんぱく質の量は、筋肉の合成に影響します。
体の中でエネルギー消費が多いのは、肝臓・脳に続き、筋肉と言われています。
また、適切な運動を行うと、たんぱく質を材料に筋肉が発達していきます。
そのため、ダイエットをしてもたんぱく質はしっかり食べようと言っているわけです。
さて、たんぱく質の量を見てみましょう。
図:日本食品標準成分表2020年版(八訂)より
先ほどとは逆に、 牛 ⇒ 豚 ⇒ 鶏 の順番に、たんぱく質の割合が高い事がわかります。
鶏肉では、砂肝より、ささみ・皮なしの胸・皮なしのももが高たんぱくです。
豚ではひれ、牛ではももと、カロリーが低かった部位が高たんぱくです。
カロリーが低く、たんぱく質が多い、鶏のささみ・胸肉は、ダイエットの味方と言えます。
しかし、皮がついていると、たんぱく質も必然的に大きく下がるので、皮の量は少なくがおすすめです。
肉を選ぶその他の要素
カロリー量とたんぱく質量以外に、肉を選ぶ時の注意点をお伝えしたいと思います。
特にダイエッターの女性におすすめなのは牛肉です。
「え!?高カロリーで、低たんぱくって言っていたのに?」と聞こえてきそうです。
それは、鉄分が多いからです。
もも肉で、豚は0.5g、鶏は0.9gに対し、牛は2.5gの鉄分を含んでいます。
しかも、これらの肉は、ヘム鉄なので、ホウレンソウや小松菜、ひじきやしじみなどの非ヘム鉄に比べて、吸収率がいい。
緑黄色野菜や貝類、海藻や豆などの非ヘム鉄が2~5%に比べて、肉のヘム鉄が15~25%の吸収率なので、大変効率がいいのです。
女性はただでさえ貧血になりやすいのに、ダイエットを行うと、益々貧血傾向になりがちです。
貧血が心配という方は、牛肉を食べる事も意識しましょう。
次は豚肉です。
「え~今まで全然いい所が無かったじゃないか」となるかもしれませんが、豚肉は安価で手に入る万能選手です。
それだけでなく、糖質の代謝を促してくれるのです。
「え?」
豚肉には、特にビタミンB1がたくさん含まれています。
もも肉のビタミンB1の量は、豚肉0.9gと断トツ。牛は0.09gで、鶏は0.07gです。
つまり、血糖値が高めで気になる方は、豚肉も食べて、糖尿病を予防しましょう。
最後に、胃腸の調子がよくない方へのおすすめは鶏です。
消化がいいから。
離乳食を始めるのも鶏肉からです。
煮込み料理にも合いますし。
ただ、胃腸の調子が悪い時には、皮は取ったほうがいいです。
より、消化しやすくなります。
まとめ
『上手に肉を選んで、理想の体づくりに生かそう』
最後に今回のまとめです。
- カロリー量が最も低いのは鶏で、部位は砂肝・ささみ・胸がおすすめ
- たんぱく質が最も多いのは鶏で、ささみ・胸・ももが高たんぱく
- 貧血予防には、ヘム鉄が多い牛が望ましい
- 血糖値が高めの方には、豚のビタミンB1がおすすめ
それぞれの肉や部位に、いい所がある事がわかりました。
しかし、特にダイエットの面では鶏が優秀です。
しかし、皮が付くと、脂質がぐんと上がりますし、消化吸収も悪くなってしまうので、注意が必要だと思います。
ただ、鶏だけを食べるというよりは、主に食べるのを鶏にして、他の肉も楽しむというようにした方が、ダイエットにも、心の健康にもいいのではないでしょうか。
「じゃあ、一日にどれくらい食べていいの?」という事に関しては、【ダイエット中に肉・魚・卵・大豆製品はどれくらい食べていい?てばかりで簡単に把握【食の基本2回】】を参考にしてください。
肉は手軽に食べられる食材で、毎日食べている方も多いと思われます。
今回の内容が、皆さんの理想の体づくりに役立つと嬉しいです。
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